今までの人生でお芝居を見に行くという習慣はほとんど無かったのですが、
縁あって役者さんと知り合い、見に行くことにしました。
しかも一日置いて2本も!

一本目に観たのはこちら。



青春事情『NO GOAL』
加賀美秀明さん所属の劇団です。
題材は「ホームレス・ワールドカップ」。
そんなイベントがあるなんて知りませんでしたが、もう10年くらい世界中の社会復帰を目指すホームレス状態の人たちが
ビッグイシュー基金などの団体を通じて、サッカーワールドカップを開催しているそうです。
英語サイトですがこちら→ http://www.homelessworldcup.org/

サッカーの話なので、試合中はどうするんだろうと思っていましたが、
楽屋裏(つまり控え室)に限定した群像劇でした。
ラストに行くに従って各々の問題を少しずつ紐解いていき、でも完全に解決したわけじゃなくて、
それでも一人一人が生涯にたった一度だけ出場を許された大会に向かって団結していくところは
分かっていても役者さんの迫力に負けて涙腺が緩んでしまいますね。
様々な理由からホームレス状態に陥る人がいる中で、
最近徐々に認知されてきているアスペルガー障害から
ホームレス状態へ陥ってしまう人もいることを思い出しました。
ホームレス問題はそうなりたくてなっているのではなく、
最終的にそうせざるを得ない状況がやってきてしまった人が大半でしょう。
これを当人の問題として善悪二元論では片付けるのはあまりに短絡的ですよね。
【青春事情|オフィシャルウェブサイト】→ http://jijou.jp

その2日後に観たのがこちら。
アマヤドリ『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』



お世話になっているデザイン事務所、マルプデザインの元スタッフ・高倉大輔さんの客演でした。
当時小学4年生だった女の子が当時28歳だった男に約10年監禁された「新潟少女監禁事件」をモデルにした話。
ウィキペディア→ http://ja.wikipedia.org/wiki/新潟少女監禁事件

演劇の内容は、監禁事件の被害者女性が3人住まいのシェアハウスに救助を求めて居座り続けるというもの。
その少女と恋愛関係に陥った一人が、彼女を守るために結果的に監禁状態を作り出してしまい徐々に狂っていく、という結構アブノーマルな話。
前半は笑いも多く、しかし後半には前半で笑えてた状況が全く笑えなくなって、
最後にはとても切ない気持ちになりました。
守るという行為も働き過ぎると内側への暴力に変わっていくのは怖いですね。
また、キャストの皆さんも一人一人がハマり役でした。
【アマヤドリ/studio空洞|オフィシャルウェブサイト】→ http://amayadori.sub.jp/
去年から劇団・アマヤドリのレパートリーとして公演されているそうなので、
ぜひ一度観てみてほしいと思います。ぼくももう一度観たい!

一日目は「貧困問題」、二日目が「性犯罪」とテーマだけみると
とても重苦しい題材だけど、しっかり心に残る2作でした。
2時間弱の舞台に観客を引っ張り続けるパワーに引き込まれて
なんだかやる気が出てきました(←無かったんかい)。
今までは年に1度くらいしか観なかったけど、もうちょっと足を運んでみても良いかな、
と思いました。
…また趣味が増えるのか〜(汗)。