【イベントレポ】Adobe Frescoの体験会に行ってきました!

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adobeの新アプリ『Adobe Fresco(以下Fresco)』の体験会に行ってきました。
開発に関わったクリエイターさんたちのトークイベントを聞いて、実機に触ることもできましたよ。

イベントの一部は配信されていました。
今回はイラスト制作の、しかも割と専門的な話題になるので、占い好きさんには面白くないと思いますので読み飛ばしてください。

感想を結論から言うと、デジタルイラスト制作の未来を見た感じでした。導入を考えている人は参考にどうぞ。

とうとう絵描きのやりたかったことが”再現”できる

デジタル環境で絵を描く際にはどうしてもアプリごとの制約があります。
特にアナログ的な表現をしたい人にとって、アプリ側が用意したツールの範疇でしか表現できないジレンマが大きく、ブラシをカスタムしたり、オリジナルでテクスチャを作ったりで対応してきました。それでも本当に欲しい質感はなかなか再現できないので、さらにフィルタをかけたり実際の素材画像を取り込むなどけっこう遠回りしてる作業が多いと思います(結局アナログで描いたほうが早い、なんてことも)。
今回のFrescoの一部のブラシでは、絵の具同士が紙の上で混ざりあうような表現も可能になりました。これは実際触ってみて感動しました。
例えばPhotoshopでは違う色のブラシを上に乗算するような描き方で、絵の具風ハンコの上に別な色のハンコを重ねたような感じで混色と呼べるものではありませんでした。Frescoの場合は隣り合った色の絵具同士が溶けて混ざっていく様がリアルタイムプレビューされて、水彩っぽいデジタル作品ではなく本当に絵の具で描いているかのように再現しています。今までの「デジタルで作ったらこういう感じ」というバーチャルアナログ感も、よく言えば味、悪く言えば諦めみたいなところを一気に乗り越えてきました。このリアリティはバーチャル感に妥協して来た人をFrescoに乗り換えさせると思います。
ブラシの感触は説明ではわからないと思うので、公式ページを見てください。

Adobe Fresco | デジタルペインティング & 描画アプリ

最新のスタイラスやタッチデバイスに対応したFrescoでは、世界最大級のブラシコレクションと革新的なテクノロジーによって自然なペインティング&描画が可能です。

動作がわかりやすくて軽い


画面がすごく見やすい!

ぼくが20年くらいAdobeを使い続けてきたからかもしれませんが、特に説明を聞かなくても、こうすればこれができるんだろうなということが感覚的にわかるように作られています。デジタルツールは割と専門用語や複雑なメニュー構成になっていて、ある程度勉強しないと思い通りに使えないところがあります。
Frescoは子供が初めて絵の具を触る時のように、専門知識がなくてもすぐ使える感じが革新的だと思いました。そしてツールウインドウが無いので画面がスマートで広いんですよね〜。
ある程度描き込んでくると動作ももたつくそうですが、タブレットPCでは排熱の為に過剰にファンが回って気づけばフリーズ、みたいなことがありますが、iPadはそういう設計になっていないのでその心配も少なそうです。ぼくが使っているSurfaceは構造上の弱点だと思いますが、ほんとよく落ちます(泣)。

当然他のAdobeアプリと連携している

Ceative Cloud(以下CC)のプランを契約していれば、他のアプリ同様に追加で課金することなく全機能もれなく使えます。CCを契約してなくても月額サブスクリプションのプランがあるので、それで他の機能も使えるようになるそうです。
イベントに登壇したクリエイターさんに共通していたのが「PhotoshopとFrescoを行ったり来たりしながら作業できるのが楽」みたいな話でした。
ぼくは現状クリップスタジオ(以下クリスタ)とPhotoshopを行ったり来たりで作業しています。クリスタはPSDデータもフォローしているのですがAdobe製品ではないので完全な互換性がなく、クリスタ専用レイヤーやPhotoshop専用のレイヤー効果は削除されたりラスタライズされてしまいます。二つのアプリを行ったり来たりするとそれぞれの専用レイヤーを消し合いながら進めていくため、専用レイヤーを残すために別にデータを書き出して、必要になったら別のデータを開けて作業したものを反映させて…。もう説明だけでも面倒臭いですよね。

一つの作品を作るのにアプリごとの別々のデータを用意しなくちゃいけないのがめんどくさい。それでもクリスタは努力してくれてるけど。。。
イベントのフリータイムで個人的に聞いてみたのですが「Photoshopのレイヤー効果やパターンなどはデータ上に残せる」とのこと。レイヤーの互換性も織り込み済みなら別にデータを書き出す必要がなさそうです。
それからタイムラプスで自動的に作業工程が録画されていて、これを公開して共有することもできます。すぐにお絵描きYouTuberになれますね!そうやってユーザー同士で情報共有が進めば、メーカーもそれに追随してアプリはどんどん優秀になっていくはずです。クリスタはそうやって進化してきましたしね。

これから機能は更新されていく予定

まだ誕生したばかりなので具体的にどの程度かはわかりませんが、ブラシの種類や他アプリとの連携、ツールの追加などもされていくそうです。
個人的にはいろんな定規があれば良いなと思いましたが、これはまだ未定だけど開発はしているはず、とのこと。いろんなアプリがそうですが、すぐにアップデートやバグの修正が対応されていくのがサブスクリプション制の良いところだと思います。

他のドローイングアプリと水をあけた印象

UIはプロクリエイトに近い印象で操作感もよく似ています。「プロクリエイト殺しにきた」みたいな感想もネットでよく見ます。
AdobeではPhotoshopが絵描きのスタンダードでしたが、直訳で[写真屋さん]というくらいなので写真レタッチの機能が満載です。正直絵を描くのに必要ない機能も多いのにある程度PCの性能が要求されのがネックです。
iPad用に先行していたPhotoshop Sketchでは確かにじむ水彩ブラシと油彩ブラシは実装されていましたが、Sketch自体が仕事で要求されるスペックには程遠くて、ぼくがiPadを選択しなかった理由もここでした。
クリスタ(PC版)はPhotoshopに比べると軽くてブラシの種類も豊富で、しかも買い切りなのにメーカーサポートやアップデートも付いていて充実しています。ユーザー同士の情報共有やブラシやパターン、テクスチャも共有できてかなり奥の深いアプリです。が、個人的に色調の再現度が低くてウインドウもたくさん出るので、正直愛用のSurface&クリスタはちょっと魅力が霞んじゃったなぁ。。。
もしもこれからプロとしてデジタルでイラスト制作をしたいと考えている方には、ぼくならまずiPad ProとFrescoを勧めちゃいますね。というか、費用対効果で見れば半端なサイズのペンタブ・液タブやタブレットPCよりずっとリーズナブルですから。それに机の占有面積が少ないのも良いと思います。

とはいえ結局は職種や専門による住み分けになるはず

ただ、アニメーションや漫画制作など、大きい画面での作業が必要な仕事ではまだまだクリスタ&液タブ・ペンタブが強いと思います。
クリスタはマンガ制作用ソフトのコミックスタジオが発展してできたものなので、トーンの指定やコマ割り機能などのマンガ制作ご用達の機能はおそらくFrescoには付かない気がします。
でもアニメーション用のタイムラインフレームはPhotoshopにもあるのでこれは追加されそうですね。
デバイスとしてiPad本体の画面サイズがA4程度なので、大画面が必要な作業には向いてないですね。iPadである程度描いてPCの大画面でPhotoshopなどで仕上げ、というスタイルはこれからも続きそうです。携帯性が売りのiPadですから、これ以上大きくなっても使いにくいだけなので出ないでしょう。Apple的にもスマートじゃないし。
それでも小さなカットなどは描いたそばから直接納品できそうなので、これはヨダレが出るほど羨ましい。


イベントの帰りにお土産をいただきました。こういうのはいらないので安くしてくださいよ。

どんな人に勧める?

まずすでにデジタルで作業している人。ハイスペックなのでプロからアマチュアまで使う人を選ばないと思います。
あと、デジタルツールを導入したいアナログ作家。特に水彩やアクリルなど、絵の具系の画材を愛用している人はそのまま移行できるかも。メイン使用しなくても、本番前のラフイメージやレイアウト作業に限定してもいいと思います。
それから、これからプロになりたい人。本気で取り組みたいならある程度のスペックが必要ですが、PC+モニター+液タブorペンタブ一式では初期投資が大きすぎるので、まずはここからスタートしても良いと思います。
あとは趣味で描きたい人。例えば自宅で油彩をやるにはキャンバスを置く場所や画材の処理などが手間なので、専用の部屋の確保が難しいとか時間が取れないという人にはありがたいと思います。

逆に無理に勧めない人は、ツールやテクスチャなどにこだわりのない人、簡単なペンと塗りつぶしツールで適当な図解やシンプルなキャラクターが描ければ良いという人ですね。こういう人には普通のiPad(Proでない)やSurface Proシリーズの価格も動作もそこそこのもので十分事足りるはずです。なんというかレーシングカーでコンビニに行くようなことになりそうので、スペックもコストも持て余してしまうと思います。

‎Adobe Fresco – ペイント・お絵描きアプリ

‎何種類もあるブラシから選んで、iPadでも水彩・油彩などのリアルな表現が可能に。
Adobe Fresco(フレスコ)はiPad ProおよびApple Pencil用に開発されたイラストアプリで、
プロのイラストレーターや趣味で描画やペイントを楽しむハイアマチュア向けに設計されています。
Frescoでは、お気に入りのPhotoshopブラシや精密に描画できるベクターブラシ、
そして革新的な技術のライブブラシを組み合わせることにより、作品の表現力が無限に広がります。
ライブブラシでは、リアルな水彩画や油彩画のような色のにじみ、混ざり、重ねを表現することができます。
無限に拡大できるベクター…

ここまで持ち上げてきたのだから、やっぱりすぐにでも使うんだろう!と思いましたよね?なんとぼくはiPad Proを持ってません(ヨメ様は持ってる)
自宅でヨメ様が早速試し描き。なんであなたもパンダを描くの…。

なので買うところから始めなくちゃいけないけど、今は予算的にキビシイ…
iPadはもうちょっと稼いだら導入します。それにSurfaceは多少不満はあるけど、まだまだ描くのが面白いPCですから!
というわけでお仕事受付中!ご依頼はメールフォームからどうぞ!

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